###​何がそんなに汚い言葉で批判されたのか?
​原因は、ARMアーキテクチャそのものの性能というよりも、「ARMエコシステムの開発体制のグダグダさ」にありました

​バラバラすぎる開発ツリーとコンフリクトの嵐:
当時、ARM系プロセッサを作るメーカー(TI、NVIDIA、Qualcommなど)や開発者たちが、それぞれの独自ツリーで勝手にコードをいじっていました。そのため、似たようなデバイスやクロック関連のファイルを別々の人間が勝手に名前変更(リネーム)するなどして、マージするたびに激しいコンフリクト(衝突)が起きていました

​「プラットフォーム」としての標準化の欠如:
x86(IntelやAMD)のPCなら、どのメーカーのハードウェアであってもメモリのアドレスや周辺機器の基本仕様はある程度統一されています。しかし、当時のARMは「メーカーごとに完全に仕様がバラバラの組み込みボードの集まり」であり、リーナスいわく「PCのプラットフォームというものを連中がまだ理解していない」状態でした

​無意味なコードのチャーン(無駄な変更):
「意味もなくボードやドライバの名前を変えるな」と開発者たちの子供っぽい縄張り争いや無駄なコードの書き換えに激怒していました

​この批判の「その後」
​このリーナスの強烈なブチギレ(暴言)は、ARMエコシステム全体に大きなショックを与えました

​これを機に、ARM関連の主要な開発者たちが立ち上がり、「One Linux (ARMのコード整理・統合プロジェクト)」が大きく前進することになります。デバイスツリー(Device Tree)の導入などが進み、以前のような「メーカーごとに全く互換性のないバラバラのカーネルをビルドしなければならない悪夢」は劇的に改善されました