>>826
1.65兆ドルを「隠れ負債」と呼ぶ時点でかなりミスリード。中身の多くはSPVの借金ではなく、未開始リース、設備・GPU・電力などの長期購入契約や将来の支払コミットメントだ。Alphabetだけで8110億ドルの契約コミットメントがあるが、これはSEC提出の10-Qに明記されている。つまり「帳簿から隠している」のではなく、会計基準上まだ貸借対照表に負債計上されない契約を注記で開示しているだけ。

SPV利用も「負債隠し」と同義ではない。例えばMetaのBlue Owlとの270億ドル規模のHyperion案件は、JVの存在も資金調達構造も公表済みで、Metaが20%、Blue Owl側が80%を保有するプロジェクトファイナンスだ。リスクを外部資本と分担する仕組みを、本体の借金と100%同一視する方がおかしい。

プライベートクレジットを使っているから危険、というのも飛躍。資金源が銀行融資か社債かプライベートクレジットかは資金調達手段の違いであり、それだけでバブルや破綻を意味しない。

そして「ITバブルとリーマンショックも全く同じスキーム」は明確に誤り。ITバブルは主に利益を伴わない企業への株式市場の過剰評価、リーマン危機は住宅ローンの信用劣化を証券化・高レバレッジで金融システム全体に拡散させた問題。現在の巨大テックによるデータセンター投資とは資産、債務者、キャッシュフロー、金融システムへの伝播構造が別物だ。

AI投資に過剰投資リスクがあることと、「AI特需がバブルである」ことは全く別。今回示されているのは巨大な設備投資と長期契約が存在するという事実であって、バブル崩壊の証拠ではない。むしろ「開示済みの将来契約」を「隠された借金」に言い換え、ITバブルとリーマンを一緒くたにして危機を演出している方が数字の読み方として雑。